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襟付きを諦めない!クラブスタッフが一から手掛けるユニフォームに込められた想い

初めまして。
静岡ブルーレヴズのクリエイティブ(デザイナー)を担当している、
平野明日香(ひらのあすか)と申します。
普段は今之浦オフィスにて、SNSの画像やポスター、グッズなど、"デザイン”と名のつくものを横断的に取り扱う仕事を行っておりますが、レヴニスタのみなさまにとっては、"オフィシャルグッズブースにいっつもいるあの人!"と言う方が、もしかしたら馴染みがあるかもしれません。

グッズフル装備でいつもお待ちしております!

あまり個人として表に出ることが得意ではないので、正直これまでnoteも指名がこないようにうっすら気配を消していたのですが(広報:山地にはバレていた気がします)今回はどうしても語りたい、私のたっての希望で記事を書かせてもらいました。
拙い(というか、固い?!重い?!)文章で読みにくいかと思いますが、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。


▶️静岡ブルーレヴズ、ジャージ変わります

静岡ブルーレヴズは今シーズン、株式会社WRS様(以下BLK)とのサプライヤー契約を締結させていただき、新たなBLKのジャージを纏ってNTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE2023-24を戦います。

BLKと静岡ブルーレヴズ、新たなパートナーシップの門出として同じ画像にて発表させていただきました


これは既報の通りで、レヴニスタの皆様はすでにご存知…もしかしたらここを読んでくださっている、すでに先行販売されたオーセンティックシルエットのジャージをご購入いただいた方もいらっしゃるかもしれません。(ありがとうございます!!!!)

今回、この新しいジャージに企画開始からローンチまで関わる中で、皆様にお伝えしたいことが溢れてしまい、こうして筆を取らせていただいています。

▶️どうしても語りたい、ジャージデザインのこと。

ジャージデザイン、とは

一口にデザインといっても、ジャージの場合型を指す時と柄を指す時、二つの場面があります。
型は、ジャージの仕様…どこに切り替えがあるか、丸襟かVネックか、本記事ではそういった洋服自体のデザインを指します。
柄は、どのような模様やマークを載せるか(色・柄・チーム名やスポンサーを含む)を指します。
今回新しいジャージを選手が纏うまでに、BLK・静岡ブルーレヴズの営業チーム・同デザイナーのわたし、それぞれのストーリーがありました。

ジャージサプライヤーが、変わります

静岡ブルーレヴズ設立時からサプライして頂いていたmacronから、ご縁をいただきBLKにサプライヤーが2023-24シーズンから変更になりました。
ラグビーに限らず、スポーツチームではサプライヤー変更は珍しいことではないとは言え、前サプライヤーのことをこういったところで触れるのは、タブーかもしれません。
しかし、それを分かった上で、あえて触れます。
それはなぜか。

ブルーレヴズの襟

皆様ご存知の通り、静岡ブルーレヴズは設立時から、macronの白襟付きの型を用いた1stジャージを着用させていただいておりました。
襟付きジャージはJAPAN RUGBY LEAGUE ONE Div.1で唯一、それは今やレヴニスタのみならず、多くのラグビーファンの中でブルーレヴズのトレードマークと言えるものとなりました。
またその襟は、英国のパブリックスクールでジェントルマン教育に用いられてきた歴史があるラグビーの、紳士のスポーツとしての品位をも私たちにもたらしてくれました。
たかが襟、されど襟ですが、私がどんなに頑張って頑張って色々な画像やデザインを作っても、それはすぐには得難いものです。

襟付きの"型"がない、ということ

新たにBLKとご縁をいただき、初めて来季のジャージの打ち合わせを行った時に、襟付きのジャージの型がない現状を知りました。

"型"がない、というのはどういうことか。

つい先日、ラグビーワールドカップフランス大会が終了したばかりですが、皆様、各ブランドのジャージが違う柄だけど、同じ型(形状)であること、お気づきでしたでしょうか。
JAPAN RUGBY LEAGUE ONEも、さらに他のスポーツも同様です。
それはなぜか。
スポーツメーカーにとって、ユニフォーム型の開発は非常に負担が大きいこと、
そしてスポーツチームにサプライすることは、多くの場合商品の販促の側面があるためです。
(余談ですが、某社はオールブラックスのみの専用の型を作っています。オールブラックスの持つブランド力、そして世界的なファンの市場が背景にあるのではと予想します)

私自身、前職スポーツメーカーにてジャージのデザインにも携わり、サプライを通じたスポーツマーケティングについては理解をしていて、襟は諦めなければならないだろうと即座に思いました。
残念ながら私たちには、無理をお願いできるような、オールブラックスに匹敵するファン市場もありません。
かなり難しいお願いであることは承知の上で、私たちの想いとともに襟付きの型をなんとか開発してもらえないだろうか、とBLKにお願いをいたしました。

▶️BLKの判断と、裏側の尽力と想い

こちらの無理な要望に対しBLK側は即座に『NO』を出さず、持ち帰り、さまざまな調整を重ねてくださいました。
型を新規開発をするには時間も限られている中、素材探し・生産にかけられる時間が限られる中で対応してくださる工場の開拓、そして企業としてビジネス視点の判断…

折り重なる難しい状況の中、”襟付きの新型を作る”という判断をしてくださいました。

製品へのこだわり

選手のパフォーマンスを引き出し、ラグビーというハードなスポーツにも耐えうる強度、そして紳士のスポーツとしての品格…
それらを叶えるために、選手のオーセンティックジャージ及び、先日販売開始したオーセンティックシルエットのジャージは、日本で生産された"MADE IN JAPAN"です。
ニット素材は縫製の難易度が高いことに加え、仕上がりもその伸縮性からヨレがちです。
せっかくジャージに襟がついても、"品位"がなければ台無しである。
そのことも深く、BLKは理解してくださいました。
急汗速乾性に優れ、パフォーマンスを阻害しないニット素材を使い、最高の技術で品位ある襟を用意してくださいました。
ファンの皆様には、この素晴らしい襟もぜひお手に取ってご覧いただきたいと思っています。

選手のオーセンティックジャージと、オーセンティックシルエットジャージの襟は、
布帛の襟よりもさらに美しく、惚れ惚れしてしまいます

おまけ

オーセンティクフィットジャージ・レプリカジャージ(レギュラーシルエット)の首元内側には

MADE FOR REVNISTA!

MADE FOR REVNISTAの文字!
これはBLKのアイディアで入れてくださったもので、ブランドの細やかな姿勢が現れている部分です。

▶️一方、静岡ブルーレヴズのパートナー事業部は

ジャージの襟があるかないかは、スポンサーセールスにも影響があります。
襟付きのジャージ制作が決まるまでの間、スポンサーセールスを担当するパートナー事業部とデザイナーの私で、襟あり・襟なしの2パターンの状態で営業資料を用意し、スポンサーセールスに邁進いたしました。
これらの動きだけでもパートナー事業部の負担が大きかったと思われる中、パートナー事業部は部長の佐藤(初代REVS CREW担当でもあります)を先頭に、新しい挑戦を同時に行なっていました。

スポンサー表示の白ベタを取り、かっこいいジャージにしてパートナー様のメリットを上げる!

ジャージに企業名を掲出するスポンサーフィーは、様々なスポンサーメニューの中でも高額な部類に入り、多くの場合自社のロゴの露出が非常に重要になってきます。
静岡ブルーレヴズを通じて、パートナー様の企業のロゴやお取り組み、印象をお伝えし、価値を上げていく使命を私たちは負っています。

一番パートナー様の企業ロゴがはっきり見えるのは、フルカラー・背景無地です。
それを分かった上で、静岡ブルーレヴズパートナー事業部は、スポンサーロゴが1色で統一され、デザインと融合したヨーロッパスタイルのかっこいいジャージを目指し、立ち上がりました。

ヨーロッパではスポンサーがモノトーンで配置され、ジャージのデザインクオリティを引き上げています
日本のラグビーファンの皆様も購買意欲を掻き立てられるのではないでしょうか

結果、多くのパートナー様にご協力をいただけ、皆様ご承知の通り新ジャージは白ベタがほとんどなくなったものとなりました。

前途の通り露出が大きな意味合いを持つ以上、パートナー様の多大なご理解・ご協力がなければ、そして日頃のパートナー事業部とパートナー様との信頼関係がなければ、実現できなかったことです。
そういった目線でも、ジャージを味わってくださったら幸いです。

かっこいいジャージのかっこいいチームにスポンサーしているんだ、と誇りに思ってもらえるよう、私たちはかっこいいチームを目指していかなければなりません。

▶️今シーズンのジャージデザインについて(平野パート)

ここからはジャージのデザインの、柄の部分についてデザイン担当のわたし、平野からお話させていただきます。

まず第一に、先に書きました通りスポーツチームにジャージをメーカーがサプライすることは、スポーツマーケティングの一環です。
自社の売りたい商品や伝えたいブランドイメージ・姿勢と、チームのストーリーを上手く融合させてデザインし、チームが着用することで多くの方に商品優位性やブランドメッセージを伝えます。

という大前提があるにも関わらず、BLKは私たちにデザインを一任し、製品の形にまでしてくださいました。
改めまして、心よりお礼申し上げます。

デザインを、考える

実際にデザインの作業に入る前に、頭の中で様々なことを検討します。
この辺りはすごく語りたい部分でありつつ、一方で私の商売の真髄でもあるので…少し粗い表現で

  • どっちに振るか

  • どこで焦点を合わせるか

  • 何を持っているか

  • 何を伝えたいか

  • どう見えるか

  • 何が伝わるか

これらの切り口で思考をめぐらせ、コンセプト・大筋のデザインをまとめます。

静岡と、私たちのルーツと。

デザインのコンセプトを考えるにあたり、"静岡"というテーマは絶対に外せませんでした。
しかし、静岡だけにすることに、大きな違和感を感じていました。
なぜならば、静岡ブルーレヴズは何もないところからいきなり生まれたチームではなく、それまでの歴史が積み重なり、関わってくださる方がいて、発展して今の形となっているからです。
それは、静岡ブルーレヴズで働き、時間が経つにつれ実感としてあり、今までと今これからを表現したいという想いに繋がりました。

デザインコンセプトに込めた、想い

コンセプトは、1stジャージをSTEP ON IT / STEP BY STEPとMt.Fujiという2軸のコンセプト、2ndジャージをENGINE(エンジン)と決めました。
以下にそれぞれについて、解説させていただきます。

STEP ON IT / STEP BY STEPとMt.Fuji

1stジャージは静岡をメインモチーフに、STEP ON IT / STEP BY STEPとMt.Fujiという二つのコンセプトを置きました。
デザイン面での挑戦は、別々のメッセージがリンクし、一つのデザインに集束する設計をしたことです。
STEP ON IT / STEP BY STEPが指し示す部分は、前身頃(前面)のデザインです。
STEP ON ITには、急ぐ、アクセルを踏むなどの意味があり、階段を駆け上がるように優勝を目指す願いを込め、前身頃の柄が階段状に見えるようにデザインしました。
しかし、駆け上がる過程には、STEP BY STEP…1歩ずつの積み上げがあってこそ、決してその過程を疎かにせず確実に踏み締めていく内面も、幾重にも重なる同じ柄で表現した、ダブルミーニングの柄になっています。

レイヤー状に見えるようにデザイン

Mt.Fujiとなる部分は脇に。
説明不要の静岡の代名詞、富士山
荒れる駿河湾と富士山のグラフィックを作成し、両脇に配置しました。

駿河湾と富士山。こちらもBLKのすばらしい昇華印刷技術により、きれいに表現していただいています

静岡のチームとして富士山を背負い戦いたいというストレートな理由と、

富士山=日本一
日本一の象徴たる富士山を背負えるJAPAN RUGBY LEAGUE ONEのチームは我々だけである。
日本一の山、富士山=優勝の暗喩として、その頂までの道のりは、時に荒れる駿河湾のように簡単ではないけれど、前身頃のデザインの通り一歩ずつ、確実に歩を進め目指していく決意を表しています。

↓実は、キャプテン発表の際背景に1stジャージの脇の柄を入れ、匂わせていました。


ENGINE(エンジン)

静岡ブルーレヴズの前身は、ヤマハ発動機ジュビロというヤマハ発動機のラグビー部をルーツに持つチームです。
言うなれば、ヤマハ発動機ジュビロ時代のチームのエンジンは、ヤマハ発動機という企業であり、社員の方を含む、ファンの皆様でした。
しかし静岡ブルーレヴズとなった現在の我々のエンジンは、ファンであり、ヤマハ発動機をはじめとする数多くのパートナー様であり、静岡県の市町村であり、静岡県内の皆様…静岡ブルーレヴズに関わってくださる皆様です。
選手には皆様の存在をエンジンにしてほしい、そして皆様にはあななたち全てが私たちのエンジンです。と伝えたかった。
そんな理由から、ルーツを大切にし着想を得た、機械構造のコラージュグラフィックを作成しました。

もう一つ強くこだわった点として、"ジャージの脇"に機械構造を入れることでした。
設定としては、選手の体の中身が見えている、です。

あの強いスクラムのパワーの源は、選手の体内のエンジン

静岡ブルーレヴズが誇るスクラムの時も、横から選手の体の中身が見えています。
その中身は、皆様たるエンジン(原動力)です。そのエンジンがスクラムを押すのです。
タックルの時も、相手を抜き去る時も、疲れて足が重い時も、そのエンジンが後押しをしてくれる。
そのようなストーリーを設定しました。

2ndジャージはなかなか着用する機会がありませんが、赤いジャージを纏うときは、そんなストーリーも思い浮かべながら応援していただけたら嬉しいです。

▶12月9日、レプリカジャージ(レギュラーシルエット)販売開始!!

長くなってしまいましたが、このようなストーリーが背後にあるジャージのレプリカジャージ(レギュラーシルエット)を販売開始いたします。

先行して販売を行ったオーセンティックシルエットのジャージは現在オンラインショップで販売中ですが、、、すでに品薄!!!ありがとうございます!!!

オーセンティックシルエットは生産数量限定、また2ndジャージはオーセンティックシルエットのみの生産・販売となっております。
なおオーセンティックシルエットは、選手が着用するオーセンティックジャージと同じかなりタイトな仕様です。ご購入の際は寸法表をご確認の上、ご購入いただきますようお願い申し上げます。
タイトで掴まれにくいので、ラグビーする時にはとても良いです!静岡ブルーレヴズのラグビースクールは、お子様から大人、女性向けまで、幅広くクラスを設けておりますので、オーセンティックシルエットジャージを纏って、ぜひラグビースクールの無料体験にお越しください!

…かなり急角度から宣伝を入れてしまいました。
ラグビーは体験すると、選手が当たり前にプレーしていることが不思議に思えます。(私はランパスでギコギコしました)
より観戦体験が豊かになること間違いなし!ですので、新たな趣味や運動習慣にぜひご検討いただけたら嬉しいです。

レプリカジャージ(レギュラーシルエット)は12月9日(土)販売開始!

ウエストが絞られていない、レギュラーシルエットのレプリカジャージもいよいよ12月9日(土)リーグワン開幕とともに販売開始です。

※なお、静岡ブルーレヴズのグッズチームX(旧Twitter)にてエゴサをメチャクチャしています。
感想、リクエスト、その他諸々隅々まで見ていますが、悩みはレヴニスタさんの投稿がちょっぴり少ないこと…
ぜひぜひ、感想・要望・自慢、なんでも結構ですのでコメント・引用リポストいただけたら嬉しいです!
静岡ブルーレヴズのグッズチームに、みなさんのこと、想い、教えてください!


ではでは、、、今シーズンのジャージを身にまとった皆様とお会いできるのを、心より楽しみにしております。