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フランス・トゥールーズとわたし

みなさんこんばんは、選手広報 日野剛士です。
5年ぶりの秋の日本代表の活動も終了し静岡に戻ってきました。
これからリーグワン開幕に向けて準備を始める前に代表最後の遠征地であり日野剛志にとってのアナザースカイでもあるフランス・トゥールーズでの話を少しさせてください。

トゥールーズに行くのは2019年ぶり4回目(海外遠征先として最多の回数)
1度目は2015年のヤマハでスクラム修行合宿、2度目は2017年の代表活動でした。3度目の2019年には現地のクラブであるスタッド・トゥールーザンと短期契約し3ヶ月間住んでプレーしていました。

2019年の短期契約での遠征時。トゥール―ザンメンバーとして試合に出場。
同19年にはヤマハ発動機ジュビロがトゥールーズへ遠征し国際交流試合も行われました。

そんな個人的に凄く縁がある土地で大好きな場所に戻って来れて嬉しかったですし、代表の練習グラウンドもスタッド・トゥールーザンの施設を使用したので鮮明に当時の色んな思い出が蘇ってきました。2019年トゥールーズで一緒にプレーしていた選手達も残っており、グラウンドで再会で来た時には昔話に花が咲きました。(フランス語は話せませんが、ボディランゲージで勝負するタイプです)

ヤマハ発動機ジュビロ時代のチームメイト、リッチーとの再会
右から長谷川慎コーチ、リッチー、大戸、日野

2019年当時、チームメートであり、グラウンド外でもサポートしてくれた元ヤマハのリッチー・アーノルドと感動の再会を果たし、元トヨタのジェローム・カイノなど昔のチームメイト達と懐かしのレストランへ食事に行くこともでき良い時間を過ごしました。そのレストランでは席に座るとナイフやフォークなどが置かれるのですが、私と他のメンバーはナイフの種類が違いました。理由を聞くとヨーロッパチャンピオンになった記念に名前入りのナイフをレストランが選手全員分プレゼントして、選手が来店した際にはその選手専用のナイフが準備されるそうです。なんかやることがフランスっぽいというかオシャレですよね。以前来た時にも感じたんですが、フランス、特にトゥールーズはラグビー熱が高くラグビー選手の価値が高いのです。街の誇りのような存在なんだなとあらためて感じることができました。

2019年にトゥールーズからヤマハへ来ていたフランス人の20歳だった選手も今では立派なスタッド・トゥールーザンのプロ選手として活躍しており、まだまだ自分も負けてられないなと刺激を受けることができた再会になりました。

スタッド・トゥールーザン✖️静岡ブルーレヴズ
トゥールーズのレストランにて

試合後には同じHOでこの日2番で先発出場していたジュリアンや10番ヌタマック、15番トマ・ラモスとも再会でき、ロッカールームでの素晴らしい時間となりました。
私はトゥールーズで3ヶ月間ほどしかプレーしていませんが、選手、スタッフ、ファンの方が自分のことを覚えてくれていたことに感動しましたし、伝統あるクラブの歴史の1ページの中に確実に初めての日本人選手として刻まれていることを実感できました。

またトゥールーズに戻ってくることが最大の目標ですし、これからの人生の中でフランス・トゥールーズと日本・静岡をつなぐ架け橋のような存在になれるような活動ができたら幸せだな…

なんてことを考えつつ日本への帰路についたのですが。

この度、静岡ブルーレヴズはヤマハ発動機ジュビロ時代に締結した パートナーシップ協定を再締結することになりました!!!

正式にパートナー契約を結ぶことは、どちらのチームにも関わった者として非常に嬉しく思います。
スタッド・トゥールーザンはフランス随一の伝統と熱狂的なファンを持つクラブです。そのようなクラブとこれから新たな歴史を作っていこうとしている静岡ブルーレヴズがパートナーになることは革新的だと思います。
フランスと日本、TOP14とリーグワン、ラグビーで繋がったこのご縁がもっと拡がるように私としても両クラブの架け橋の様な存在になるべく貢献していきたいと思います!

ということで、これからの僕とスタッド・トゥール―ザンにもぜひご注目ください。


日野剛志(ひのたけし) Takeshi Hino

静岡ブルーレヴズ(SHIZUOKA BlueRevs)所属のラグビー選手。ポジションは:HO(フッカー)。身長172cm、体重98kg。あだ名は「ひのちゃん」「たけし」「ヒノタケ」。日本代表キャップは5(2022年6月時点)。
1990年1月20日生まれの32歳、4歳からラグビーを始め、福岡県立筑紫高等学校ラグビー部を卒業後、同志社大学ラグビー部に進学する。大学を卒業する2012年に、ヤマハ発動機㈱に入社し、同ラグビー部の「ヤマハ発動機ジュビロ」にてトップリーガーとしてプレー。サンウルブズやフランスTOP14トゥールーズなど海外リーグでのプレーも経験し、今に至る。
2022年5月には、日本ラグビーフットボール選手会の会長にも就任。選手目線からラグビー界を盛り上げていこうと意欲的に活動している。
チャーミングな笑顔と温かさで多くのファンを惹きつけており、選手だけでなくファンをとても大切にする紳士な性格。