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リーグワンの試合運営ってどんなことをしているの?【後編】

Photo by 静岡ブルーレヴズ /谷本 結利(静岡ブルーレヴズ オフィシャルフォトグラファー)

みなさんこんにちわ。ベニューオペレーション(会場運営)を担当している

谷 俊一郎(たに しゅんいちろう)

と申します。

静岡ブルーレヴズの試合会場運営について、記述している今回の「今之浦だより」、<後編>になります。
↓は前編です。こちらもぜひご一読ください。


観客サービス

サービスの内容は非常に多岐に渡るのですが、スタジアムにお越しいただいた方に快適に過ごして頂く事が非常に重要です。

一つのポイントとして、いかに入場ゲートや場内外各所へスムーズに誘導できるか、という点があります。静岡ブルーレヴズはスタジアムを所有・管理していないため、常設の案内表示・看板を設置する事ができません。特にシーズン最終戦のような混雑する試合では初めて来場される方も多く、私もチケットブースの場所、キッズパークの場所、トイレの場所、レヴシャツをどこでもらえるか等多くの問い合わせを受けました。スタッフによる対応、案内表示・看板による誘導、もしくはデジタルツールの導入などをバランスよく組み合わせて、来シーズンはよりスムーズな案内を目指したいと考えています。

案内看板の視認性の悪さは、要改善ポイントです

他のポイントとしては、お子様連れへの対応があります。毎試合、お子様が遊べるような遊具やイベントは主に場外で用意していますが、今シーズンは1試合試験的に場内でキッズスペースを用意しました。風が強い日だったこともあり利用者は多くなかったですが、内容・場所など来シーズンに向けて検討します。合わせて託児所の設置も検討したいと考えています。また、ヤマハスタジアムではレヴニスタ広場とバックスタンド側の第6ゲートやキッズパークをつなぐ長い階段に、お子さん連れに限らず移動し辛さがありますので、この点への対応策も来シーズンに向けた検討ポイントとなります。

最終戦で賑わう「静岡ブルーレヴZOO」。ファミリーが楽しく、そして快適に過ごせるスタジアムを目指します

コロナ対応が必要だった期間は、選手のファンサービス実施は難しい状況でした。その中でも、なるべく観客の方に選手を間近で見てもらいたいと思い、昨シーズンから選手バス到着時の入場花道を実施してきました。ヤマハ発動機ジュビロ時代やフランスでの経験から、五郎丸CROから実現をかねがね打診されていたのですが、当初はコロナ対応もあり私は二の足を踏んでいました。しかし、昨シーズンの日本平の試合で、スタジアムのレイアウト上必然的に選手バスがファンの皆さんの近くに到着した状況を見て、その次のヤマハスタジアムでの試合から実施を決めました。チーム・選手からも非常に好評で、当初考えていなかったエコパにおいても、バスにはかなり遠回りをしてもらう形でしたが実現する事ができました。今シーズンの終盤からは、コロナ対策も緩和されたためフェンスも薄くし、さらに間近で選手をご覧いただけるようにっています。

試合に出場しないノンメンバーの選手も自主的に会場でファンサービスを行ってくれていて、運営としてもありがたい限りです。最終戦後はCLUB REVS会員限定でしたが、選手がハイタッチなどしながらお見送りもさせて頂きました。

静岡ブルーレヴズは、これからもファンの皆さんと選手との距離を可能な限り近くし、身近な存在としていきたいと考えています。

レヴニスタの皆様からのパワーをひしひしと感じスタジアムに入る選手たち


飲食売店

今シーズン最終戦は、大変多くの方々に来場頂きましたが、これまでで最多のお客様・混雑に運営が対応しきれていなかった点があり、ご迷惑をお掛けした皆様には申し訳ございません。

その一つとして、飲食売店の混雑(売り切れ、長蛇の列)がありました。ラグビー観戦にビールは付き物ですし、美味しいご飯も楽しんでいただきたかったのですが、購入できなかったり購入のために試合を見る事ができなかったりという状況が発生してしまった事は我々としても非常に残念でした。

来シーズンへの改善点として、混雑が想定される試合では

  • ビールやドリンクの売り子の配置(今シーズン場外に配置した試合がありましたが、場内にも)

  • ドリンク専売店舗の設置

  • 事前注文システムの導入(他スポーツの事例も参考にしながら、内容を検討します)

の対応ができるよう、調整を進めて参ります。

長い列が形成された飲食売店の待機列

最後に

静岡ブルーレヴズの3シーズン目となる2023-24シーズンは、RWC2023後の開幕となります。RWCを観て興味を持たれた方がスタジアムに足を運ぶ機会も多くなると思われます。そのような方が楽しく、安全に、そしてワクワク興奮するスタジアム体験を提供し、試合を見た後にはラグビーと静岡ブルーレヴズを好きになり、また次の試合にも来場頂けるよう試合会場の運営に努めます。固定観念に縛られるず、新しいチャレンジもしていきたいと思います。静岡ブルーレヴズの試合会場へのご来場、スタジアムでの熱い応援をお待ちしております。
<了>

▼ 前編はこちら



自己紹介: 谷 俊一郎

2022年11月のプレシーズンマッチでの筆者

スポーツビジネスの経歴としては、10年以上前にJリーグ・クラブで営業や広報を務めたのが最初で、直近ではラグビーワールドカップ(RWC)2019や東京2020の両世界大会に参画し、現在と同じくベニューオペレーションを担当していました。

東京2020終了のタイミングで、静岡ブルーレヴズからお声がけ頂き2021年9月末から参画しています。
ラグビーのプレー経験は小学生時の2年間のみで無いに等しいのですが、ラグビーが盛んな学校で学生生活を送ったためラグビーは常に身近な存在でした。大学ラグビー⇒トップリーグ⇒海外ラグビーと観戦範囲も広がり、ニュージーランドやイングランドにも観戦に行ってしまったラグビーファンです。

そんな自分にとってRWC2019での経験はラグビーに対する私の情熱をさらに深めるものでした。「ラグビー憲章でコア・バリューとして示されている『品位(Integrity)』『規律(Discipline)』『尊重(Respect)』『情熱(Passion)』『結束(Solidarity)』に象徴されるラグビーの素晴らしさ・面白さ・興奮・感動を多くの人に伝えていきたい」と思い、仕事をさせて頂いています。

RWC2019時のコア・バリューをあしらったビジュアル