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自分の可能性を広げろ!「静岡ブルーレヴズ×スタッド・トゥールーザン」アカデミーキャンプ~革新と情熱の楕円球~

世界中の皆さま、ごきげんよう!
毎度おなじみ、静岡ブルーレヴズ 育成普及事業部の、 "ふじさんコーチ"こと藤井達也です。

この夏、静岡県掛川市のつま恋リゾート彩の郷にて
 
静岡ブルーレヴズ アカデミーキャンプ with スタッド・トゥールーザン 2024
~SHIZUOKA BlueRevs Académie Camp avec Stade Toulousain 2024~

 
アジア初開催しました。

はじめに、本アカデミーキャンプに参加してくださった小中学生と彼らを快く送り出してくださった保護者の皆様、誠にありがとうございました。
 また、ご協力いただきましたスタッド・トゥールーザンの皆様とその他関係者にもこの場をお借りして御礼申し上げます。
 
 今回のnoteでは、初の試みとなった本キャンプの様子を紹介するとともに、私自身がこの3日間でコーチとして参加して感じた事や想いをお伝えできればと思います。


1. アカデミーキャンプレポート

<タイムスケジュール>

8月20日、全国各地から集まった小中学生たちには少し緊張する様子も見られました。が、これから始まることへのワクワク感と「上手くなりたい!」という情熱をそれぞれの胸に秘め、キャンプはスタートしました。

3日間でグラウンド練習5回/ミーティング4回と、子ども達にとってもハードなスケジュールだったと思います。加えて、特別セッションとしてスタッド・トゥールーザンの歴史や理念などを学ぶ時間も設けました。盛りだくさんでしたが、その分充実した3日間になったはずです。
グラウンドではその日のゴールに向かって常に考えながら様々なチャレンジをし、多くの学びや達成感を得ることができました。午後の練習の前にもミーティングを行い、実際のトップチームのプレー映像を観ることによってその日に取り組むスキル(プレー)のイメージを最大化させてから練習に臨みました。最終日には試合形式の練習を行い、3日間で学んだ成果を思う存分発揮していました。

参加する前と後では、プレーヤーとしての技術はもちろん、心も大きく成長したことを一人一人が実感できたのではないかと思います。そして、同じ志を持った全国の新しい仲間と出会い、3日間寝食を共にすることで絆を深めたこともまた、かけがえのない財産になったかと思います。

2. アカデミーキャンプ最大の魅力

私自身もコーチとして参加したことで多くの学びがあり、コーチングや環境の大切さを改めて実感できた3日間でした。
手前味噌ではありますが、コーチ視点で感じた「本アカデミーキャンプ最大の魅力」を2つ紹介させていただきます。

①   自ら「学ぶ・行動する」力を育むことができる

日本のスポーツ現場におけるコーチングは、良くも悪くも体育の教育的要素が強いため、コーチが1から10まで教えてゴールにたどり着く方式が多い印象です。そのため、日本の子ども達にはコーチが教えてくれるというマインドやコーチの指示を待ってしまう姿勢が多いと感じます。(=受動的)

一方、海外のコーチングでは「主体性」がベースで、あるゴールに向かってプレーヤー自身が考えて行動し、失敗や成功を繰り返して成長していくプロセスが大切とされています。(=能動的)もちろん、時にコーチからアプローチすることはありますが、自ら「学ぶ・行動する」ことをしないと得られるものも得られませんし、何より成長するチャンスを逃してしまいます。

 その点で本アカデミーキャンプは、海外のスタイルだからこそ自ら「学ぶ・行動する」力を育める機会です。参加した子ども達は、初日こそ緊張もあってか”受動的”で、戸惑いや迷いが顔にもプレーにも表れていました。しかし、もともとの向上心に自ら「学ぶ・行動する」姿勢が足されることで“能動的”に変わり、最終日には顔つきも変わり、短期間で大きく成長したのが見てわかるほどでした。

 選手の「主体性」を大切にしているスタッド・トゥールーザンのコーチングだからこそ、たった3日間でも子ども達の自ら「学ぶ・行動する」力を育めるのだと実感しました。

 ②   「世界のトップレベル」を体感できる

私は、このアカデミーキャンプの最大の魅力はここにあると思っています。近年のグローバル化により、中学生~大学生でもニュージーランドやオーストラリアへのラグビー留学が増えてきています。もちろん、普段と違った環境でその国や所属チームのラグビー文化に触れることができ、現地で多くの学びがあるのは事実です。現に私もヤマハ発動機ジュビロに在籍していた2015年にニュージーランドのオークランドに3ヶ月ほど留学をして、ラグビーはもちろん、それ以外でも多くを学ばせていただき、その貴重な経験が今でも活きています。

しかし、本物の「世界のトップレベル」に触れることができたかと言えば、そうではありませんでした。(例えばスーパーラグビーのトップチームやアカデミーでプレーができるなど)要するに、海を越えたとしても「世界のトップレベル」に触れる機会というのは、そう多くはないということです。

しかし、本キャンプは、短期間ではありますが、この日本にいながら「世界のトップレベル」に触れることができる機会です。技術だけではなく、「世界のトップレベル」チームの歴史や理念、その価値観を知ることができるからこその学びや成長があると思います。決して安価ではありませんが、このアカデミーキャンプはそれ以上の価値を提供できていると我々は自負しています。

 自分の可能性を広げるためにも、「世界のトップレベル」を体感してみてはいかがでしょうか。

3. 来年の開催に向けて

終わって間もないですが、両チームのコーチ・スタッフで今回のレビューをしつつ、来年の開催に向けたミーティングも既にスタートしています。

お互いが感じたことを共有し合い、参加者の声(アンケート)も参考にしながら、「子ども達が更に成長できる場」としてこのアカデミーキャンプの魅力を更に高め、子ども達の可能性を広げる機会を提供していきたいと思います。

是非、来年のご参加を心よりお待ちしております!

4. コーチ・スタッフからのメッセージ

最後に、本キャンプに携わったコーチ・スタッフのコメントを紹介いたします。

田井中(写真左)、エミール・ヌタマック(写真右)

<田井中 亮範(静岡ブルーレヴズ代表)>
フランスTOP14のトップクラブであるスタッド・トゥールーザンと共に、今回アカデミーキャンプを開催できたこと、大変嬉しく思います。
初日の子ども達の表情は、緊張と不安、そして期待が入り混じったものでしたが、3日間を共に過ごす中でコミュニケーションも増え、仲間もできて、充実した表情に変化していきました。
キャンプでは、いつもとは違った指導者・環境のもとでも「何事にも前向きに挑戦し、思い切り楽しむこと」と「友だちをつくること」をお願いしました。この2つを実践してくれたおかげで、今回のキャンプは非常に実りのあるものになりました。改めて子ども達に感謝しています。
実績のあるコーチから受ける指導は勿論、仲間づくり・成長の機会として、今後も静岡ブルーレヴズらしさを感じる時間・空間を創ってまいります。参加してくれたみんな、また来年会いましょう。
 
<Émile Ntamack(スタッド・トゥールザン代表)>
 The Japanese experience was rich and incredibly exciting for us.
We found dynamic children, curious to learn and extremely motivated to experience a different Rugby.
Considering the enthusiasm generated by the children, parents and all the supervisors present with us during this camp, it is with immense joy that we will return next year.
 
日本での体験は私たちにとって非常に充実しており、大変刺激的でした。
私たちは、学ぶことに好奇心旺盛で、異なるラグビーを体験することに非常にモチベーションが高い子ども達に出会いました。
このキャンプを通じて、子ども達はじめ、保護者、そして私たちが一緒に過ごしたすべての方の熱意を感じました。来年また日本に戻ってくることを心から楽しみにしています。

★小学生クラス担当コーチ

加藤(写真左)、イズマエル・ヘッサーニ(写真右)

<Ismael Hessani(スタッド・トゥールザン)>
Japanese rugby was a great discovery for us. This is dynamic and precise. Both know-how build on the same base: passion
 日本のラグビーは、私たちにとって大きな発見でした。それはダイナミックさと正確さです。どちらもラグビーへの情熱から来るものです。

<加藤 圭太(静岡ブルーレヴズ)>
 子ども達の持つ可能性を実感した3日間でした。はじめは緊張からかどこかぎこちなかった子ども達が、トゥールーズスタイルのコーチングや彼らの人柄に触れながら徐々に打ち解け、良い表情でラグビーに取り組む姿を見て非常に嬉しく思いました。
同時に、3日間の変貌ぶりに「ここまで成長するのか!?」と、子ども達の可能性とコーチングレベルの高さに驚かされました。
また、普段とは違う環境、スタイルでのラグビーは子ども達だけでなく、私自身にとっても大変刺激的で貴重な学びの場となりました。
このような貴重な機会を提供してくれた彼らに、改めてこの場をお借りして心から感謝いたします。
今回の経験をもとに、次回はよりパワーアップしたアカデミーキャンプを実施したいと思います。また来年グラウンドで会いましょう!

★中学生クラス担当コーチ

藤井(写真左)、ダニエル・アンドリー(写真右)

<Daniel Andry(スタッド・トゥールザン)>
 Awesome experience to discover Japan through rugby. Shizuoka Blue Revs and Stade Toulousain combined to make kids enjoy rugby from another point of view. Lot of lessons learnt from cultural encounter on and off the pitch that allows us to keep growing. Looking forward to work again together!
 ラグビーを通じて日本の魅力を発見する素晴らしい経験となりました。静岡ブルーレヴズとスタッド・トゥールーザンが協力して、子ども達に別の視点からラグビーを楽しんでもらうことができました。
グラウンド内外での文化的な出会いから多くの学びがあり、私たちはさらに成長を続けることができました。また一緒に仕事ができることを楽しみにしています!
 

正本(写真左)、イズマエル・ヘッサーニ(写真右)

<静岡ブルーレヴズ海外事業担当 正本> 
スタッド・トゥールーザンとのアカデミーキャンプを開催でき、無事に終えられて良かったです。私は本キャンプでの企画・運営を担当しました。初めての試みでもありましたが、キャンプ開催前にnoteに寄稿させていただいたことは概ねカタチにできたのではと思います。

今回のキャンプはあくまでもスタートです。未来を担う子ども達の成長、トゥールーズとのパートナーシップ強化、ブルーレヴズらしさに繋がるより魅力的なキャンプとなるように、来年に向けて準備を進めていきます!

Special Thanks


アカデミーキャンプで通訳を務めてくださったFlorent DABADIEさん・Leonardさん、トレーナーを務めてくださった海野さん、そしてキャンプに駆け付けてくださった日野剛志選手、本キャンプにご協力いただき、誠にありがとうございました!

そして何よりお礼を伝えたい方がおりますので、この場をお借りして失礼いたします。その方は、同じ静岡ブルーレヴズで働く海外事業担当の正本豊さんです。

このアカデミーキャンプを実現するにあたり、最前線で企画から実施までご尽力いただきました。正本さんなくして本キャンプの実現はなかったと思います。

静岡ブルーレヴズへの熱い想いや、仕事に対する熱量は同僚として見習うところも多く、そんな方と一緒に働くことができてとても幸せです。

これからも共に静岡ブルーレヴズを盛り上げていきましょう!
本当に本当にありがとうございました!


 "Revs your Heart"  

参考<THE ANSWER 記事>